全く参考にならない貧乏生活を切り抜けるためのコツを伝授させて頂きたい。
僕には何ヶ月間か1日100円くらいで生活していた頃がある。
何がなんでも加熱調理の伴う自炊はしたくない主義なので、1日の食事は6個入りのレーズンロール、飲み物は水道水。毎日こんな感じ。
お陰様で結構なダイエットとなり、今もリバウンドしていないのであざまーす!って感じではある。
あ、体脂肪はさほど変わらなかったので、ただただ筋肉をそぎ落とす大変おすすめ出来ない不健康な痩せ方でござんす。
とはいえ、食事よりも辛かったことがある。
もっと言えば、電気・水道・ガスのライフラインが止まるよりも。
それはインターネットが止まることである。
オナニーすら満足に出来ないからだ。
まぁ、出来ないは言い過ぎたが、良質な食材・オカズの仕入れが出来んのだ。
こらぁ!一流シェフここにおるやろぉ!
と夜な夜な怒りに震える。
ただどうしてもという時は、
うわぁぁ過去の残像残像!つって。
固く目をつむり昔のエロい記憶を脳のメモリから呼び起こす。
うわぁぁ!データが古すぎて画質がポリゴンみたいになってらぁ!とかほざきながら。
はたまたネットが復旧した時はそれはもうお祭り騒ぎだ。
リオのカーニバルなぞ比にはならん。
ギラギラと目を見開く僕の額にはネチジリハチマキ
上半身は無駄にラインストーンが散りばめられたハッピ
下半身は防御力0のフルチン
凄まじくそそり立つ己のポコチンで目の前に置かれた和太鼓を
ドドン!
と、ひと叩きするのだ。
大体そのタイミングでパトカーのサイレンが遠くから鳴り始める。まぁそんな感じだ。
ただ、またいつネットが止まるか分からない状況だったので、映像や画像を必死に目に焼き付ける癖がついた。
3分しっかり凝視、残像を焼き付ける、その流れで外の青空を見つめる。
そうすると先ほどのエロい残像が空にうっすら浮かび上がる。
ちいちゃんのかげおくりか!つって。
やることなさ過ぎてかげおくりし始めるって、現代にしては結構追い詰められてる方だろう。
まぁそんなこんなで貧乏生活を大変有意義に過ごしていたのだが、結論
飯なんか食べずにひたすら影おくりに徹する
これが僕から伝えられる貧乏生活を切り抜けるコツだ。
覚えておくといい。そして今すぐ忘れるがいい。
くわえて、このような状況に至るには理由があった。
元々貯金はしない主義、かつ収入確実に下がると分かって夢を追ってした転職、その後も金銭感覚が相変わらずバグったままでキャッシュフローがとんでもねぇ勢いで破綻
という、大学で商学を学んでいた者とはまるで思えん末路を辿ったのだ。
キッカケの転職をする前、当時20代前半には不相応のサラリーを貰っていたこともあり、金銭感覚のバグり方が日々日々良い仕上がりをみせていた。
インセン(歩合)入るからいいっしょ、と湯水のように金を使う。
Dead or Alive(生きるか死ぬか)
Up or Out(登るか退くか)
Beef or Chicken(牛肉か鶏肉か)
そんな言葉が立ち並ぶ過酷な日常、溜め込むストレスを洗い流すかのように金を使う。
酒、タバコ、女、パチンコ、喧嘩、単車、日サロ、クラブ、マネー、パワー、リスペクト......
頭の中は常にこんな感じのワーディングが念仏みたいに流れている。
あ、ちなみに知らない人に一方的にぶん殴られたことはありますが、喧嘩はしたことないし、ギャンブルとクラブは良さが分かりません、すみません。
「一度落ちるとなかなか戻れない」
クソほどのエリートから転落して長らくしてまた復活したとかいうどっかの偉いおっさんが昔僕に助言してくれたのを思い出す。
シンプルな言葉だが、今思うとマジそうだなと思える。
おっさん、ありがとう、でも意味なかったー
どうやら僕は人の数十、数百倍バカタレなので身をもって体験しないとその重みが分からなかったようでござる。
でも、当時をクソほど辛かったとは思っていない。
出来ることが制約される分、普段考えないような試行錯誤を繰り広げ、ライフハッカー的な感じで楽しいこともあった。
ただ、自分はそれで良いとしても、大切な家族や友達、恋人に何かしてあげたい、そう思った時に虚しくも何もしてあげられんのだ。
こればっかしはゲロるくらい辛くて、俺って案外仲間思いじゃん。
ってことに気付かされた。
だから、僕と同様に堅実とは対極にいるだらしない性格のクズみたいなパッパラピーは、何かキッカケないとその素行不良は治らんと思うので、一回私財を全力で投げ捨てることをおすすめします。
まぁ僕もこれからは、仕方なく渋々苦渋の決断というか断腸の思いでちょっとばかし真面目に生きていってやっても良いかなと思わんでもない今日この頃である。
キング卍パイセン